初心者向け!主従関係のイロハ
皆さん、主従関係における基本的な「イロハ」をご存じでしょうか?
いかにSMの経験をたくさん積んでいようと、または知識をたくさん詰め込もうと、SMの世界における主従関係の「イロハ」をわかっていなければ関係は成立しません。
今回はその主従関係における「イロハ」についてご紹介していきたいと思います。
何事も基本を押さえることが大切ですので、基本的な心得を改めて理解することで、今後の主従関係をより良いものにしていきましょう。
主従関係の基本
まずは主従関係の基本を見て行きましょう。
その中で、プレイそのものの心得や安全で健全な主従関係を築くためのトピックもまとめました。
相互の同意と信頼のスタートアップ
素人モノのAVを見る人にはピンとくる事ですが、出演する素人女性にはあらかじめNG行為や可能プレイ、体調の良し悪しや持病の有無、疾患やアレルギーが無いかなど、病院の診察のようなアンケートから始まります。
主従関係でも同じように、双方の役割を明確にして、その上でお互いの意思を確認し同意を得ることが大事。
何がしたいか、何が出来て何が出来ないのか。
最初は根拠のない信頼かも知れませんが、こうして明確な意思と同意の元プレイを重ねていくことで信頼は一段と積みあがって行きます。
同意は関係の基盤であり、信頼がなければプレイは成り立ちません。
双方の「限界」や「嫌いなこと」を事前に話し合い、了解しておくことが欠かせません。
主従関係の範囲とルール設定
主従関係の範囲をどこまでとするかは事前にしっかり話し合っておきましょう。
日常生活にも影響を及ぼす主従関係にするか、あくまでプレイ時のみとするかなど、双方が無理なく続けられる形を見つけます。
必要であれば、細かいルールや行動指針を文書化するのも一つの手です。
コミュニケーションと合意の見直し
主従関係の在り方は一度決まったらそれで終わりではなく、プレイのたびに進展や変化を迎えることもあります。
プレイ前後には話し合いを行い、双方の気持ちや体調、満足度について話し合う習慣をつけると良いですね。
特に新しいプレイに挑戦する際や日常的な変化があった場合は念入りに確認します。
プレイを終えて、M側がもっとハードな内容でも大丈夫だと自信のポテンシャルに気付きがあったり、最初は理想的に思えたプレイも実際にやってみると苦手な行為だったりと、人の価値観は都度変わる事もあるのでしっかりとフィードバックを行いましょう。
役割に対する責任とリスペクト
M側が服従を選ぶ一方で、S側にはその役割に責任を持つ必要があります。
M側を一方的に支配するのではなく、自信が一方的に満足する独りよがりのプレイでは、長期的な主従関係は生まれません。
「SはサービスのS」と良く言われるように、どう服従したいか、どんな命令に従う事で満たされるのかSなりに考えて察して、提供する事が大事。
自信の支配欲や加虐の欲求を満たしてくれるパートナーとしてリスペクトを持って接することで、健全な主従関係は育まれるのです。
安全措置(セーフワード・サイン)
プレイ中に限界を超えないためのセーフワードや、身体的に拘束が強い場合には声を出さなくても意思表示ができるサインなど、適切な安全措置を決めておくことが重要です。
これ以上は耐えられない場合や危険を知らせるサインなので、確実にお互いの共通認識として決めておきましょう。
「やめて」や「無理」などといった安直なセリフは、演出やプレイ中のテンションで言ったのか本当にやめて欲しいのか判断しにくいです。
なのでプレイ中には絶対に出てこないような名詞や言い回しで設定しましょう。
猿轡や口を拘束されていて言葉が発せれない状況でも、唸り声など音は発せられるので、モールス信号のように特定のリズムを決めて発するなどの工夫も大事です。
その他にも指の動きや目の動き、瞬きの回数などあらゆる状況に対応できるよう複数用意すれば安心感は高まります。
挨拶から始まる主従関係
あなたは主従関係を確立するときどのような方法で行っていますか?
例えば居酒屋でお酒を飲みながらお互いへらへらと口約束で主従関係を結んだとしましょう。
それをあなたは本当に信用できますか?
調教とは、
=相手を支配をすること
です。
また本来人間は「家畜」ではなく平等に扱われるべき対等な立場です。
ですがSMとは相手を支配し、片方は主人、片方は奴隷としての関係を成立させるわけです。
それなのに酔っぱらいながらの状態で主従関係を宣言をするというのは「信用されるわけがない」のです。
ではどのようにすればいいのか?
答えは簡単です。
例えば、調教をする前に奴隷のほうから女王様に「今日は私の調教をよろしくお願いします」と土下座をして挨拶をするのもいいでしょう。
または主従関係を成立させる契約書を作り、お互いその契約書にサインをするというのでも構いません。
大切なのは何かしらの形にすることです。
そうやって形(この場合挨拶や契約書)にすることでお互いがお互いの主従関係を明確に認識することができるのです。
SMプレイでは「愛情」の重要性に気付く事が大事
SMというとどうしても普段味わうことができない技術やプレイ内容に意識が行きがちですが、そこで「知識」や「経験」を深めようとするのは実はちょっと違うんです。
もちろん相手に怪我をさせない、もっと楽しんでほしいと思う一方でそういった勉強に力を入れる人が多いのですが、それが大正解かと聞かれると実はNOなのです。
ではSMで一番大切なのは何か。知識?経験?金銭的余裕?いいえ一番大切なのは「愛情」です。
今、なーんだそんなことか、と思いませんでしたか?そのなんだという余裕が油断に繋がり関係を希薄にしてしまうのです。
ですがプレイするのも人間ですので、どうでもいいものに時間も労力も注ぐのは非常に大変ですよね。そんな苦労も「愛情」があるからこそ相手のために何かをしたいと思わせる原動力となるのです。
もしSに愛情がなければそれはただの暴力となります。Mに愛情がなければただの事務作業になります。
先述の通り、SMのSは「サービスのS」。
そしてMは「満足のM」。
この言葉はあながち間違いではないのかもしれませんね。
準備は入念に。油断は厳禁
SMは普通のSEXと違い危険な要素を含んでいることは理解していますか?
例えばアナルプレイなら感染症が、緊縛やスパンキングプレイなら怪我に繋がるなど実はデメリットを含んでいることが多いのです。
その危険性を少しでも避けるためにプレイ前にはしっかりと準備をしておきましょう。
アナルプレイなら感染症を予防するためにコンドームや介護用手袋を、緊縛プレイなら相手の肌を傷つけないよう柔らかい素材を選ぶなど。これくらい大丈夫だろう、今日はこれを忘れたけどなんとかなるだろう、などと油断をすることがないように注意をしましょう。
絶対にしてはいけないNG行動
さて次にSMにおいてのNG行動について説明していきます。
実はこのNG行動というのが主従関係では大切になっていきます。何故ならどんなに信頼関係を積み重ねていったとしても、たった一つのNG行動でそれまでの関係が粉々になってしまうことがあるためです。
せっかくの関係をうかつな行動によって水泡に帰してしまった、そんなことがないようしっかりと意識しておいてください。
NG行動~S編~
主従関係を公私混同している
SMとはご主人様と奴隷であることは確かなのですが、たまにその関係性を私生活にも持ち込む人がいます。もちろんそれをお互いが合意のうえで行っているなら問題ありませんが、例えば「今日から親兄弟はもちろん、友人とも一切の連絡を取るな」「仕事中でも関係ない、今すぐ退社してここに来い」「お前は奴隷なんだから金融業者に借金をして自分に貢げ」など奴隷=どんな風に扱ってもいい相手として利用するなど絶対にあってはいけません。
威張っているだけの自称S
実は意外と多いのがこのタイプです。S=偉そうで何をしても許されると勘違いしている人が一番嫌われます。
どんなに相手を傷つけるようなひどいことを言っても「ごめんごめん、でも私(俺)Sだから~」とSだからと言えば何でも許されると勘違いしているパターンが多いです。
このパターンはSではなくただの空気が読めない性格の悪い人間、でしかありません。少しでもドキッとしてしまったなら自分はそうなっていないか普段の言動を見直してみてみましょう。
自分がやりたいことだけをする
これはそもそもSMとして成立していないパターンです。
もしこれが一方的な扱いを受けるというプレイなら別ですが、自分さえよければいい、相手の願望など知らない、などというのはSとして以前にSMに向いていません。
「相手を悦ばせられていない」時点でSMとしては成立していません。これは2で紹介した人も起こしがちなパターンです。
NG行動~M編~
以前のパートナーと比較する
前のご主人様はこうしてくれていた、というように以前のパートナーと比較するような発言をすることは絶対にNGです。
今あなたのご主人様は目の前にいる人です。誰でも他人と比較されていい気持ちになる人などいないのです。そんなに前のパートナーがいいならそっちに戻れ、お前は奴隷解約だと言われても仕方ないレベルです。
自分のわがままを押し付ける
相手はSなのだから自分の願望をかなえてくれて当然。そんなわがままを押し付けてはいけません。
むしろ押し付けるということはその時点で「主従関係」が成立していないと言えるでしょう。あくまでMは奴隷。家畜であり上下関係なら下なのです。
わがままを押し付けるということは、その時点で自分が相手より上に立とうとしているため関係が矛盾しています。
S編と同様の主従関係の公私混同
S編の1でも説明しましたが、もちろんMの方もこれはNGです。
例えばSMの場でも何度もない公共のレストランで相手のことを「ご主人様or女王様」と読んだり食事中にスカトロの話をしたりなど、周囲の関係ない人たちを不快にしてしまうような言動をしてはいけません。
それは自分だけの問題ではなく、あなたのご主人様にも恥をかかせてしまうことになるのです。
もちろんお慕いしているご主人様と一緒にいられることで舞い上がってしまう気持ちはわかるのですが、こういう人は「調教されている自分」に酔っている要素も大きいので、一度冷静になることをお勧めします。
まとめ
いかがでしたか?SMとは単純なようで奥が深いプレイです。基本的な理解を深めることでその応用力や可能性はどんどん広げていくことができます。
またNGプレイについては一歩間違えれば相手にSMへのトラウマを植え付けてしまう恐れがあります。そんな悲しいことが起きてしまわないよう、今一度自分自身のSMへの姿勢と基礎知識を見直してみてくださいね。
SMをたかがプレイと思わず、相手との信頼関係を深めることだと意識すればより一層あなたにとってのSMの世界観は広がり、さまざまな悦びと出会いに繋がっていくと思います。
この記事を読んだあなたが今まで以上の悦びと巡り合えますように。