【体験談】セクハラ上司に寝取られ…それが快感に。罪悪感が私を支配する、危うい関係。

40代の私は、昇進するたびに心の中で小さな叫びを上げていた。
確かに周囲からの評価は良かったし、部内でも頼りにされていた。
しかし…私は実際にはその地位に相応しい人物ではなかった。
既婚で、産休育休も駆使したため、女性では異例の大出世だと周りに囁かれた。
なにか体を使ってうまくその地位に上ったなどと噂されることもあった。
それもこれも…あのセクハラ上司が巧妙に手を回してくれていただけ。
それがなければ、私のキャリアはここまで来なかっただろう。
実力が足りないこともわかっていたし、それが悔しく何度も上司のいない場所で泣いてしまった。
その上司は、非常に有能だが、私にとってはただの嫌味な人物でしかなかった。
常に冷徹で、優越感を持ちながら他人を使うその態度に、私は不快感を覚えていた。
女性を見ればセクハラ、男性を見ればパワハラ。
彼の顔を見ただけで、心の中で反発が沸き上がる。吐き気がする。
しかし、実際にはその反発を持ちながらも、彼の言いなりにならざるを得なかった。
なぜなら…彼の権限が私の進退を左右するからだ。
そんな彼との出張が決まったとき、私は一瞬、断りたいと思った。
地方の支店での打ち合わせ。上司が同行すると言われ、心の中でため息が漏れる。
最初に湧き上がったのは嫌悪感だった。
どうしてこんな目に遭わなければならないのか――自分の時間を取り戻したかったのに。
それでも逃げ道はなく、結局は渋々、彼について行くことにした。
移動中、狭い車内で彼と二人きり。
低く響くエンジン音が耳にまとわりつき、車内には重い空気が漂っている。
彼はハンドルを握ったまま、無表情で前を見据えている。運転中なのに、無駄な会話は一切ない。
「静かだな。」
ふいに口を開いた彼の声が妙に低く響き、私は動揺してしまう。
「……そうですね。」
気まずさを隠すように短く返すが、車内の重苦しさは変わらない。
せめて音楽くらいかかっていたら気も紛れるというのに…。
時折、視線を盗むようにちらちらと彼を見た。その横顔は冷たく、鋭い。
目が合った瞬間、すぐに逸らしたのに、胸の奥が強く締めつけられる。
――意識しないようにしなきゃ。
だがその意識とは裏腹に、汗ばんだ彼の手が私の太ももにそっと置かれる。
動揺した私は身じろぎするが、その手は離れない。
「緊張してる?」
抑えた声が耳に響く。
「……いえ。」
震えそうになる声を押し殺し、無理に平静を装う。
彼は何も言わず、再び前を向き、無表情のままハンドルを握り直した。
その動作はあまりに自然で、さっきの出来事が幻だったかのように思える。
――それでも、太ももにじっとりと残る熱の余韻が私を冷静にさせてはくれない。
打ち合わせは無事に終わり、会食も淡々とこなした。
そして夜、ホテルへチェックインする。
わかってはいた――この嫌な上司と同じ部屋になることくらい。
だが、その事実が現実となる瞬間、肩に重くのしかかる圧力に息苦しさを覚えた。
――もう、逃げ場はないのだ。
部屋に入ると、私は無駄に気を使い、縮こまるように部屋の隅にある椅子へ腰掛けた。
息を殺し、膝の上で手を握り締める。視線を彷徨わせながらも、どうしても彼の動きに神経を尖らせてしまう。
視線を外したら――何が起こるのだろう。そんな不安が、私の体を縛り付けていた。
彼は黙ったまま、当然のように荷物を解き、部屋を自分のものにするかのように振る舞う。
無駄のない動き。迷いも戸惑いも一切ない。
その様子を目の端で捉えるたび、喉が渇いていく。声を出すのが怖い。
けれど沈黙が長く続くほど、体の奥にじわじわと圧がかかる。
彼が、この部屋そのものを支配している――そう思わせるには十分な空気だった。
「荷物、そこに置け。」
命令とも取れるその声に、思わず肩が跳ねた。
言葉は冷静だが、そこには微妙な圧力が込められていた。
優越感を保ちながら、私に指示を与えるその態度がいつものように冷たく響く。
拒否する余地などないとわかっているのに、息をするたび胸がきつくなる。
私は静かに立ち上がると、彼の指示通りに荷物を運んだ。
「そこに座りなさい。」
低く落ち着いた声が命令口調にも聞こえ、体が反射的に硬直する。
一応形式ばかりはツインベッド。
彼は片方のベッドを指し示し、促すように軽く顎を動かした。
私は無意識のうちに視線を落としながら、ゆっくりとベッドの端に腰掛けた。
布の感触が冷たく、緊張した体に余計に重くのしかかる。
その視線が私を捉えたまま離さない。
空気が重く沈み、静寂の中、息を飲み込む音さえ響きそうだった。
「さて……わかっているよね?」
彼の口元にわずかな笑みが浮かぶが、それはどこか計算されたもののように見えた。
「夜はまだ長い。飲み直そうじゃないか。」
そう言うと、彼は当然のように私の隣に腰を下ろした。
近い!――息が詰まりそうな距離。
無造作にコンビニ袋から取り出した缶ビールを開け、プシュッと小さな音が静寂を破る。
缶から立ち上る炭酸の泡が妙に耳に残り、私の心をさらにざわつかせた。
「ほら、遠慮するなよ。」
差し出された缶が目の前に迫る。
手が伸びない。喉が渇いているのに、手を伸ばす勇気が出ない。
蛇に睨まれた蛙とはこのことかもしれない…
そんな私の様子を見て、彼が静かに立ち上がる。そして自分の缶に口をつけ、一気に流し込んだ。
その喉仏が大きく上下するのを見てしまう。
そのまま無言で私の目の前にあったビールを奪い取り、再び口をつける。
視線は逸らされたが、私はその様子から目を離せないまま硬直していた。
心臓の音が全身に響くなか、視線だけは外せないまま時間だけが流れていく。
彼はビールを飲み干し、缶を口から離すと軽く息を吐いた。そして不意にこちらを見る。
思わず息を呑み、身をすくめたその一瞬の隙に私の唇に柔らかい感触が押し当てられた。
唇をこじあけ、無理やり舌を絡め取られる。たばこ臭い、苦みにも感じる味がした。
抵抗しようともがいたが、彼の力には敵わず、そのまま押し倒される。
唇が離れると、彼は私を見下ろしていた。冷たい視線に射抜かれて体が動かない。
再び顔が近づき、唇が重なる。
口の中を這い回る舌は生き物のように蠢き、私の全てを絡め取る。
息が苦しい……頭がくらくらする。身体中の力が抜けていく感覚に襲われた。
激しい口付けに、私はただ翻弄され続けた。
そんな私を見下ろして彼は笑みを浮かべている。優越感に浸った笑みだった。
抵抗できるわけがない、絶望的な顔をした私を見て、楽しんでいたことだろう。
唇から首筋に舌が伝い、ブラウスのボタンを外され、下着と胸元が露わになった。
肌が外気にさらされる感覚と理性からくる恐怖に思わず身震いしたが、彼の手が止まることはない。
その手はゆっくりと肌を弄び、やがて下着をずらし、胸の先端に吸い付いた。
思わず声が出るが、彼は構わず口に含み舌で転がすように弄ぶ。
「あ、だ、だめ…」
同時に彼の手は私の下半身へと伸びていった……
「あ、やっ……やぁっ……あぁっ……」
嫌なはずなのに、でも、体が反応してしまうのを止められない。
そんなことも彼はお見通しのように見えた。
そして彼は私の奥へ容赦なく侵入した。
「い、いたっ……やめてっ……」
痛みに耐えながら必死に懇願するが、彼は聞く耳を持たない。そのまま腰を動かし始めた。
やがて痛みが薄れてきた頃、今度は違う感覚が襲ってくる。それは快感だった。
「あっ……んっ……はぁ……」
自然と口から漏れる吐息混じりの声に、自分が感じていることを
「なんだ、こんなに濡らして。やっぱり期待していたんじゃないか?」
彼はそう耳元で囁くと、さらに深く押し込んできた。
「ああっ!……んんっ……ああぁ……あん……」
私はもう何も考えられず、ただ快楽に身を任せていた。
そんな私を見て彼は満足そうな笑みを浮かべている。
そして私の体を抱き寄せると、そのまま一気に貫いた。
「ああぁっ!!」
その衝撃で頭が真っ白になる。だが彼は容赦なく腰を動かし続けた。
「あっ、やぁっ!だめぇっ!あぁっ!」
激しい動きに翻弄され、私はただ喘ぐことしかできなかった。
やがて限界が近づいてきたのか、彼の動きが一層激しくなる。そして……
「ああぁっ!!」
同時に、熱いものがどくどくと音を立てて内側に放たれたのを感じた。
夫がいるのに…中に出すなんて…
相手を強く批判する気持ちと、女としての喜びが快感として押し寄せてしまう。
私の意識は徐々に遠のいていった……。
その晩、壊れるほどに私は何度も何度も彼のものを受け入れた。
――その日から、私は彼の思い通りになった。
最初はただ、耐えることだけが私の役目だった。
仕事のため、家族のため――ただひたすらに我慢していた。
彼の言葉に従い、表情を無にし、心を凍らせその場をやり過ごすしかなかった。
けれど、時間が経つにつれて、彼の冷徹な微笑みや雑な仕打ちさえも、私の中で別の意味を持ち始めた。
最初は嫌悪と共に感じていたその行為が、いつの間にか私を肯定するものへと変わり始めていることに、私は気づかざるを得なかった。
――彼の期待に応えなければならない。
彼の言葉、冷たい視線、無造作に触れられる指先。
それらすべてが、私の心に深く刻まれ、消えない痕を残していった。
「……これが、私の役目なんだ。」
その言葉を自分に繰り返すたびに、胸の中に広がる奇妙な安堵感を感じた。
彼の命令に従うことで、私はいつしかその快感に溺れていった。
気づけば、私の心は、彼に支配されることを渇望する自分に変わっていた――
それを認めることしかできなかった。
もはや、それは単なる仕事としての従順ではなくなっていた。
彼の支配は、私の中で不可欠な存在となり、私を支配する力に変わっていった。
日常に戻っても、どこかで彼の声が響いている。
目を閉じれば、彼の冷徹さ、優越感に満ちたその態度が蘇る――
それを思い出すたび、胸の奥に熱が広がっていく。
「このままでいいの?」と自分に問いかける私がいる。
その問いに対して、心の奥から「いいんだ」と静かに答えるもう一人の自分が微笑んでいる。
日常では、妻として、母として、良妻賢母でいなければならない…。
その立場を守り続けるために、心の中で必死に自分を押し殺している。
けれど、どこかでその役割を演じることに限界を感じている自分もいる――
次の出張を待ちわびる自分が、どこかにいる。
その自分もまた、私が知らなかった醜い顔をしていることに私は気づいてしまう。
心の底からその顔を受け入れたくないと思いながらも、その姿が私の中で確かに存在していることを否応なく感じている。